平成最後の夏の一日

元号が変わることがわかっている今年の夏は、平成最後の特別な夏だ。
そんな夏の大切な一日だから、少なくとも大事だったと言える時間を過ごしたい。

この日は平成3年から始まった僕の夏の中でも指折りの一日となった。アラサーだってエモい夏を過ごすことができるのだ。

午前11時、9人の友人が大分の県北の地中津に集まってくれた。福沢諭吉生誕の地であるこの場所は今ではからあげの聖地として知られている。からあげのテイクアウト専門店が点在し、揚げたてからあげをグラム売りしてくれる。
僕らは車を使わず駅から歩いていける距離にある二軒のからあげ屋を食べ歩いた。
車をつかわなかったのは食べ歩き感を出すため、人数の関係といった理由があるが、一番は「お酒と一緒に揚げたてのからあげを楽しむため」といった理由からだ。スーパードライを手にするもの、アイスボックスハイボールを楽しむもの、各々が好みのものを片手にからあげを味わった。
話が変わるが、僕はこの日緊張していた。
この日集まった友人は大学の同期と後輩だったのだけれど、卒業以来5年会ってない人もいたからだ。そういう人が大分に来てくれるなかで、大分を楽しんでくれるだろうか、そもそもなにを話せばいいのだろうか、僕のことを覚えているのか、そんなことを思っていた。
だから、からあげを食べながら笑っているみんなを見て、僕のやってることは正しいんだなぁと思うことができた。

この日の宿は僕の定宿双葉荘だ。
おばあちゃんちの様な和室の部屋にみんなで泊まるのは、サークルの合宿に来たみたいで楽しい。
この日は運良く一棟貸切。五部屋に二人ずつ布団を並べて寝ることになった。
みんなで近くの立ち寄り湯に行き、一時間温泉を堪能。湯上りにはジュースを飲む、リラックスのひととき。
宿に帰って、温泉の蒸気を利用した料理地獄蒸しの準備。キャンプの飯盒炊爨やカレーつくりみたいにみんなで作業をするのは楽しい。
焼売、豚肉、牛肉、ベーコン、たまねぎ、じゃがいも、鯛…。ビールが進む、日本酒が止まらない。みんな覚えてますかあの幸せな時間を。あんな時間が人生の色を濃くしてくれるんだと思う。
みんなで準備して、みんなでお酒を飲みながら地獄蒸しを食べるのが楽しくないわけがない。これは鍋パと同じ構造なのだ。

この日はまだイベントが残っていた。
宿の駐車場を借りての花火だ。
手持ち花火をしたのはいつ振りだったろう。
僕の記憶を辿ると、大学時代ハリーポッターごっこをしている友人の姿が残っているから、やはり5、6年振りだったのだろう。
ロウソクに火をつけて、一つ目の花火が光りだす。勢いよく火をはいていた花火は思ったよりも早く燃え尽きてしまう。
花火から花火へ火をうつしながら、みんなが花火を手にする。
もうね。男女10人夏物語ですよ。
楽しかったなぁ。それにみんなが楽しそうで嬉しかった。
その後は、部屋に戻り大分の焼酎兼八を飲みながらゆっくりとおしゃべりをする。
新しいひとやことに出会うのは大切で、そのことによって成長することができたり、新しい自分に会えたりする。だけど、今持っているつながりのなかに浸ることで自分が何者であったのか確かめることもできる。
成長ばかりでなく、自分らしさを確認する時間も大切にしたい。そんなことを考えさせられる夜だった。

次の日は地獄めぐりして、プリン食べて、昼ごはんにちゃんぽんと別府冷麺食べて解散したのだが、それはまた別のお話し。


大分のちょっといいとこ見てみたい

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